数ある共済でも有名な国民共済。コープ共済や都道府県民共済と並んで3大共済のうちの1つです。ちなみに正式名称は「こくみん共済」と言います。
こくみん共済は全労済(今は名称が変わり「こくみん共済coop」です)から販売されている共済の中でも人の保障を行う共済で、死亡保障や医療保障を提供しています。

その中にがんの保障を行う商品がありますが、どの様な保障なのか検証してみましょう。

他の共済にプラスしてがんの保障を行うタイプ

こくみん共済の中でがん保障を提供しているものは「がん保障プラス」と言い、単独でがんの保障を行うのではなく他の共済にプラスして保障を行います。
付帯できる共済は「医療保障タイプ」「総合保障タイプ」「終身医療保障タイプ」の3つです。

医療保障タイプとはどのような共済?

「医療保障タイプ」は入院保障と通院保障をメインとした共済で、掛金2,300円(2口)とお安いのですが入院保障が日額10,000円(1入院180日・2口)・通院保障(交通事故・不慮の事故)が入院有無にかかわらず日額2,000円(90日・2口)と充実している共済です。手術保障は一律6万円(2口)で(診療報酬点数が1,400点以上の算定の場合に保障)少額ですが死亡保障もついています。

またこの共済には放射線治療については60日に1回を限度として一律6万円(2口)の保障がありますので、がんの保障を考慮に入れて作られている共済といえます。がんも病気の1つですので入院保障や手術保障もがんでの保障対象になりますし、がんになった時に得られる保障はちゃんとあります。

ただこの共済は通院保障について病気は対象外ですので、がんでの通院保障も付かないという事になります。最近のがん治療は入院治療から通院での治療に移行していますので、通院保障が付かないのはがんへの保障として寂しいですね。

総合保障タイプとはどのような共済?

「総合保障タイプ」は、死亡・高度障害への保障をメインとした共済です。特に交通事故、その次に不慮の事故に対しての保障が厚く、交通事故で死亡・高度障害になった場合の保障は1,200万円(2口)と高額です。掛金も1,800円(2口)とお手頃です。
入院保障もついていますが、こちらも交通事故、次に不慮の事故の場合の保障が高いです。入院保障はそれぞれ日額5,000円(2口)と日額3,000円(2口)ですが、ただ病気への入院保障が弱く、病気の場合は日額2,000円(2口)となっています。
通院保障もありますが、こちらも交通事故のみの保障となっています。

元々病気への保障が弱い共済ですが、がんへの保障を考えると病気への保障と同額である入院保障の日額2,000円と死亡保障の400万円等となりますし、放射線治療への保障はありませんので、特にがんについての保障は考えられていない共済です。

終身医療保障タイプとはどのような共済?

「終身医療保障タイプ」は、こくみん共済で最近出来た終身型の医療保障です。保障が終身である事が一番のセールスポイントである商品であり、入院保障が日額5,000円・手術保障が一律5万円・放射線治療への保障も一律5万円(60日に1回を限度)となっています。特約で先進医療保障が最高1,000万円で月100円で付帯する事は可能です。また通院保障はありません。

これまでこくみん共済coopが医療保障として展開してきた「医療保障タイプ」と比べて、保障金額は下がりますが、がんへの保障を考えると保障内容はおおよそ一緒です。
放射線治療への保障・入院保障・手術保障はありますが、通院保障がないのが保障として寂しいという事になります。

「がん保障プラス」の保障内容は、がんの保障を満たしている?

それでは「ガン保障プラス」の保障内容を見ていきましょう。保障内容は以下の通りになります。

●掛金 1,400円(月払)
●保障期間 満18歳~満65歳
※満60歳以降は保障が下がります。

【満18歳~満60歳】
●がんと診断された時 悪性新生物100万円(生後初めての診断、1回限りの保障)
上皮内新生物10万円(2年に1回を限度)
●がんで入院した時 日額5,000円
※1日目から日数無制限で保障
●がんで手術を受けた時 25万円
※診療報酬点数が1,400点以上で算定された手術等
●がんで放射線治療を受けた時 25万円
※60日に1回を限度
※診療報酬点数が算定された治療等
●死亡・重度の障害が残った時 10万円
※1級・2級、3級の一部

「がん」とは「悪性新生物」および「上皮内新生物」を指しますので、どちらも保障対象となります。

一般的ながん保険と比較してみると

上記の「がん保障プラス」の保障と一般的ながん保険と比較してみると、まず掛金が安いという事が挙げられます。基本的にがん保険は保障が医療保険に比べて限られることもあり、保険料は抑えられているものですが、それでも掛金1,400円はお安いです。
次に、死亡・重度障害の保障が付いているという事。がん保険に特約で付帯できる商品もありますが、基本的にがん保険には死亡・重度障害保障はありません。

その他の保障についても比較していきます。

まず入院保障が日額5,000円。これはがん保険と比較して特に高くも低くもありません。がん保険の中には日額10,000円の保障もありますが、この「がん保障プラス」は単独で加入出来るものではなく、現在加入している保障にプラスするものですので、「医療保障タイプ」や「終身医療保障タイプ」に合わせて加入するのであればそれぞれの共済で入院保障を受け取れます。
それぞれの日額が5,000円ですので、「がん保障プラス」分を合計して日額10,000円となり(医療保障タイプ・終身医療保障タイプ分については通算1,000日まで)、受け取れる保障自体は大きいものとなります。「総合保障タイプ」にプラスして加入したとしても、合わせて7,000円の日額保障が得られます。ですので、入院保障としては充実しています。

またこの共済の入院日数無制限ですが、がん保険では一般的な保障内容です。

次に手術保障が25万円、放射線治療の保障が同額である25万円です。
がんの手術保障としては25万円というのは、どちらかというと保障は高めです。そして放射線治療の保障も別途25万円となっています。

最近のがん保険では、放射線治療の保障は手術保障の中に含まれており、この共済と同様、60日に1回を限度として手術給付金と同額の保障を行うものが多いです。
放射線治療の保障を手術給付金の中に含めるか、放射線治療共済金として別で保障するかという違いはありますが、結果として放射線治療の保障が25万円という事になりますので、保障は高いと言えます。

がん保険と比較してこの共済のデメリットといえる項目を、下に書いていきますね。

基本的な保障のみの「がん保障プラス」

この共済は、基本的な保障はキチンとついているのですが、他保険会社のがん保険と比べて付いていない保障が色々あります。

例えば、がんの治療を開始した時に支払われる一時金。ある保険会社では2年に1回を限度として再度入院治療を受けた場合に一時金を受け取れる保障(回数無制限)があります。また、抗がん剤やホルモン剤の治療を受けた時の保障がついているがん保険があったり、がんで入院し療養のため退院した時の一時金を給付する保険会社もあります。

ただ、これらはすべてのがん保険に共通して付いている保障というよりも、それぞれの保険会社の特徴としてがん保険に付帯している保障です。あれば便利ですが、保障が厚くなればその分保険料も上がりますので、掛金1,400円と考えれば、保障はかなり充実していると言えます。

あとは申し込む人が保障内容に満足するかどうかで判断する事になります。掛金の安さや基本的な保障で満足するのであればこの共済は申込者に合った保障ですし、逆に保障が物足りないのであれば、保障の手厚い別の保険会社のがん保険を申し込む方がいいと思います。

保障が65歳までで終身ではない

この「がん保障プラス」は、あくまでも満65歳までの保障です。

共済は基本的にどの商品も同様なのですが、まず満60歳までの保障があり、その後段階的に保障が下がっていきます。特にこの「がん保障プラス」は満65歳までの保障です。子どもが独り立ちするまでの間の保障と思えば問題はないのですが、実際にがんに罹患する年齢は高齢に差し掛かってからの方が多いですので、それを考えると満65歳で保障が終わってしまうという事は大きな不安材料です。

ちなみにこの「がん保障プラス」の満60歳~満65歳の保障は以下の通りになります。

●がんと診断された時 悪性新生物100万円→30万円
上皮内新生物10万円→3万円
●がんで入院した時 日額5,000円→日額1,500円
※1日目から日数無制限で保障
●がんで手術を受けた時 25万円→5万円
※診療報酬点数が1,400点以上で算定された手術等
●がんで放射線治療を受けた時 25万円→5万円
※60日に1回を限度
※診療報酬点数が算定された治療等
●死亡・重度の障害が残った時 10万円→3万円
※1級・2級、3級の一部

がん保障としてはかなり弱い内容になります。ですので、満60歳以上でも継続して充実した保障を望むのであれば、がんの保障については単独でがん保険に申し込むのも1つの方法です。
最近は定期型のがん保険も出ている様ですが、特にがん保険は基本的に終身型ですので、後々保障が物足りなくなる可能性は高いです。

持病がある方は入れない可能性がある

基本的にこくみん共済の「がん保障プラス」は、「医療保障タイプ」「総合保障タイプ」「終身医療保障タイプ」という3種類の共済に付帯するタイプである事から分かるように、すでにこくみん共済の契約を持っている方が新たにがんの保障を付けるために検討をする事が前提となっています。

「がんの保障が欲しい」という理由でこくみん共済にたどり着く方は少ないと思うのですが、あえて言えば、「がん保障プラス」が付帯できる3種類の共済は健康な方用ですので、持病がある場合は運営団体が引受をしてくれない可能性があります。付帯できる共済の加入が出来なければ「がん保障プラス」の申し込みも出来ません。

ただ、元々がん保険は健康な方用の一般的な医療保険より告知項目は少ないですので、そういった場合は単独でがん保険に申し込むのがいいと思います。

最後に

こくみん共済の「ガン保障プラス」ですが、掛金の安さの割に保障が充実しており魅力的な商品の1つと言えます。ただ、保障が満65歳までという大きなデメリットがあります。

上にも書きましたが、子育て時期のみの保障にするのかそれとも老後までの保障を求めるのか、また、保障内容を基本的なもので抑えるのかそれとも保障を充実させるのか、どの視点でがん保険を決めるのかで求める商品も変わってきます。

自身がどのような保障を求めているのか、掛金はどのくらいまで予算として準備できるかをよく検討して納得のいく商品を選ぶことをおススメします。