生命保険で人気のある掛け捨ての死亡保険。保障としては死亡した時に死亡保険金を受け取れるというシンプルなものですが、シンプルな保障でも保険金額や保障期間など申し込む時に決める事がいくつかあります。

保険は自分のライフプランに合わせて申し込む事がとても大事。

自分に合った保険を作るために、何をどのように決めていけばいいのでしょうか?

『掛け捨て』ってどういう意味?

『掛け捨て』というのは、保険でも例えば定期保険が満期になった時に満期金がないとか、終身保険の場合に解約返戻金がないという風に、保険の契約が終わるときにお金が戻らないものを言います。
私たちは保険に加入をすると保険料を支払っていきます。満期金や解約返戻金でお金が戻ってくると、たとえ一部といっても支払った保険料が戻ってくるという嬉しさがありますよね。

『掛け捨て』にはそれがありません。保険料は支払いっぱなしです。
保険料の事を『掛け金』という事もありますが、保険料が戻らない事を「掛けて捨てる」というところから『掛け捨て』という言葉になるんですね。

そう聞くとなんだか損をする気持ちになるかもしれませんが、『掛け捨て』の一番のメリットは「保険料が安い」という事。

結局、満期金や解約返戻金がある保険というのは、その財源を保険料から支払う事になるので、保険料に純粋な死亡保障以外に満期金や解約返戻金の分も上乗せされることになるんですね。ちなみに、満期金や解約返戻金があるからといって、基本的にはそれまでに支払った保険料が全額戻ってくるという事ではありません(ただし終身保険には『貯蓄型』といって、払い済みをした場合は解約返戻金が保険料総額を超える事もあります)。

主婦12

そうなのね、お金は戻ってこないけれど、その分保険料が安く済むのね。家計的には助かるわ


そもそも『配偶者の死の危険に備えて』死亡保険をかけるというのが死亡保険の基本ですし、保険料が格段に安い事を考えると『掛け捨て』の死亡保険を利用するのはとてもいい選択の1つなのです。

さて、今は掛け捨ての死亡保険というと、今のところは定期保険に限られています。
定期の死亡保険の特徴として、『年満了』と『歳満了』があります。どちらを選ぶかは重要なポイントです。

ちなみに、この2つは定期保険の保障期間の話になります。

『掛け捨て』の定期保険の『年満了』とは?

まずは『年満了』について書いていきますね。

『年満了』は10年満期・20年満期という様に一定の年数で満期があり、満期の度に更新が行われるものです。更新は一般的には自動更新ですが、定期保険には年齢の上限がありますから、例えば85歳が上限の場合には85歳を超えると更新はなくなり、保険が終了します。

ちなみに自動更新時に健康状態の告知は不要です。
保険に新しく加入する時は、必ず健康状態を保険会社に告知することが必要になります。健康状態によっては、一般型ですと病名にもよりますが持病を持っている場合など保険に入れない事があります。ただ、満期での更新は自動更新ですので、例えば保険加入時に、新規の場合だと入れないような大きな病気しまった場合でも継続は可能になります。

ところで、『年満了』での自動更新ですが、更新の場合は更新時の年齢で再度保険を契約することになるので保険料がかなり上がります。

例をあげてみますね。

例えば30歳男性が10年満期を選んだ時、次回更新は40歳になります。最初の申込時は30歳の保険料で契約できますが、更新時には40歳の保険料で契約することになります。その次の更新は50歳の時ですよね。

●30歳男性 死亡保険金2,000万円(10年満期) 保険料1,850円
●40歳男性 死亡保険金2,000万円(10年満期) 保険料3,570円
●50歳男性 死亡保険金2,000万円(10年満期) 保険料8,070円
※アクサダイレクト生命 「定期保険2」参照

死亡の確率に合わせて保険料は上がっていきます。年齢が上がるにつれ亡くなる人の数は増えるので保険料が挙がっていくのは仕方のない事ですが、更新の度におよそ2倍ずつ上がっていくことになります。30歳の時は安くても50歳の時の保険料はかなりの高額ですね。
今回はアクサダイレクトで例を挙げましたが、他の保険会社もほぼ同じ内容です。

そして『年満了』の保険料総額を計算してみると

『年満了』の場合

●30歳男性 死亡保険金2,000万円(10年満期) 保険料1,850円
1,850円×12か月×10年=222,000円
●40歳男性 死亡保険金2,000万円(10年満期) 保険料3,570円
3,570円×12カ月×10年=428,400円
●50歳男性 死亡保険金2,000万円(10年満期) 保険料8,070円
8,070円×12カ月×10年=968,400円

この保険金額2,000万というのは、子育て世代が子どもの教育費も含めて考えた時に、一般的に掛ける保険金額です。また10年というのは、おおよそ2人のお子さんが高校から大学まで通う期間です。掛け捨てですので、幸い配偶者が亡くならなかった時には保険会社に支払っただけになるのですが、万が一亡くなった場合を考えると2,000万円の保障でこの保険料総額は決して高くはないと思います。

女性3

10年分の金額で考えても思ったより高くはないと思います。お子さんに一番お金がかかる時期の保障と考えると1つの方法として悪くないと思いますよ

『掛け捨て』死亡保険の『歳満了』は?

一方、『歳満了』は申込時に○○歳までと保障期間を決めて加入し、その年齢に達した時に満期となるものです。『歳満了』の場合、保険の更新はないので加入時に決めた年齢に達したら保険が終了する事になります。

一方、30歳男性が死亡保険金2,000万円を『歳満了』で申し込んだ場合の保険料は以下になります。

●30歳男性 死亡保険金2,000万円(55歳満了) 保険料3,210円
●30歳男性 死亡保険金2,000万円(60歳満了) 保険料3,910円
●30歳男性 死亡保険金2,000万円(70歳満了) 保険料5,890円
(参考)
●40歳男性 死亡保険金2,000万円(60歳満了) 保険料5,370円
※アクサダイレクト生命 「定期保険2」参照

契約年数が長くなるとその分死亡する確率が挙がるので保険料が挙がります。55歳満了と70歳満了を比べても契約年数の長さが保険料に関係している事が分かるかと思います。

主婦3

保険料は『年満了』の方が『歳満了』より安くなるのね。なるほど

ここで、同じ条件・保障期間で保障を考えた場合に『年満了』と『歳満了』では保険料がどのようになるかを考えていきます。

例1)30歳男性 死亡保険金2,000万円、60歳までの保障
※上の30歳男性の保険料を参照します

『年満了』の場合
●30歳男性 死亡保険金2,000万円(10年満期)保険料1,850円(保険料総額222,000円)
●40歳男性 死亡保険金2,000万円(10年満期)保険料3,570円(保険料総額428,400円)
●50歳男性 死亡保険金2,000万円(10年満期)保険料8,070円(保険料総額968,400円)
222,000円+428,400円+968,400円=1,618,800円

『歳満了』の場合
●30歳男性 死亡保険金2,000万円(60歳満了) 保険料3,910円
3,910円×12カ月×30年=1,407,600円

『年満了』より『歳満了』の方が保険料総額は安いですね。

例2)40歳男性 死亡保険金2,000万円、60歳までの保障

『年満了』の場合
●40歳男性 死亡保険金2,000万円(10年満期)保険料3,570円(保険料総額428,400円)
●50歳男性 死亡保険金2,000万円(10年満期)保険料8,070円(保険料総額968,400円)
428,400円+968,400円=1,396,800円

『歳満了』の場合
●40歳男性 死亡保険金2,000万円(60歳満了) 保険料5,370円
5,370円×12カ月×20年=1,2888,800円

こちらも『年満了』より『歳満了』の方が保険料総額が安くなります。

『年満了』と『歳満了』では保険の目的が違う

実は『年満了』と『歳満了』は保険の目的に応じて使い分けた方がいいのです。

女性1

『年満了』と『歳満了』をどのように使い分けるかが、大事なポイントになるということです

先ほど『年満了』で、お子さんの学費がかかる年数ということで10年で計算をしました。
実は『年満了』は短い期間で(といっても最低保障期間は10年ですが)一時的に死亡保障を上げたい時に使います。子供の教育費がかかる期間とか、自営業でも10年長くても20年といった期間で保障をかけるとか短期間での使い方です。

一方『歳満了』は、もう少し長いスパンで死亡保障が必要な場合に使われる事が多いのです。今回はアクサダイレクトが70歳満了が最高のため70歳満了までしか書いていませんが、アクサダイレクトは夫が自営業で70歳まで働き続けるなど、大きな死亡保障が必要な年齢を70歳までと考えての保険と考えて間違いないと思います。
一方、他保険会社では90歳満了の保険が新しく出ています。この年齢まで保障が伸びているという事は、平均寿命を考えると終身保険の代わりに一生涯の保険として利用する事をイメージしていると言えます。
もちろん90歳を超えて生存した場合は保障が終了するので、そこは1つの賭けではありますが、保険料が高い終身保険を利用せず死亡保障は90歳まででいいと妥協して、定期で90歳までの死亡保障に入る人もいるということです。

保険の使い方は人それぞれ。自分のライフスタイルに合わせて保険を選んでいきましょう。