生命保険を含めて、すべての保険には必ず保障期間があります。分かりやすく言えば『この保険はいつからいつまで保障します』という事なのですが、死亡保険の場合、『終身』と『定期』があります。

『終身』と『定期』は保障期間に違いがあります

『終身』とは保障が一生涯続くという事。こちらから解約しなければ、亡くなるまで保障がずっと続くという事です。
特に死亡保険は『死』に対しての保険です。保険ですから、亡くなった時に保険に入っていなければ保障はされないし、人がいつ亡くなるかは誰にも分かりません。終身で入っておけば契約が一生涯続くので、亡くなった時にはよほどの事がなければ確実に保障対象となります。

一方、保険の話をしていると『保険が満期を迎えるから色々考えなくちゃ』という言葉も聞きませんか?
こちらは『定期』の事です。よくあるのが10年満期で、契約した保険が10年で満期となり、満期を迎えると保障が終わるというのが前提になります。10年満期の場合は、通常満期後に更新があって10年毎の更新が行われることになります。
もし満期で保険が終了した後に亡くなった場合は、保険金の支払い対象にはなりません。

この『終身』と『定期』の違い、実は保障期間が違う事で色々な違いが生まれてきます。

死亡保険には見直しは必要なの?

『終身』の良いところは、死亡保障が一生涯続くという所。これに尽きますよね。先ほども話に出しましたが、人はいつ亡くなるか分からないので、終身で入っておけば亡くなった時に確実に保障対象となるわけです。一方『定期』は保障期間が一定で決まっているので、亡くなる前に保険が切れる恐れがあります。

それならば『定期』の死亡保険は不要なんじゃないの?と思うかもしれません。
でも、『定期』には『定期』の良さがあります。

女性15

実は『定期』の満期は、保険の絶好の見直しのタイミングなんです

まず『定期』について話していきます。

保険に『定期』がある一番のメリットは満期時に見直しが出来る事です。実は満期時でなくても見直しは問題なく出来るのですが、皆さん、保険に入るときには色々検討をし悩み、「これで決める」と納得した状態で加入すると思います。実は、そこで安心してしまって後から見直しを考える事はあまりしないのが人情なんですよね。保険を決めること自体が大変悩む事ですし、日常に追われて保険の事を考えるタイミングってあまりないですよね。たいていは満期時に見直しをする事がほとんどです。

そういった理由も『定期』の良さですが、では見直しってどこまで必要なのでしょうか?

それでは、死亡保険の見直しの必要性について書いていきます。

女性15

実は、見直しといっても死亡保険については見直しをするポイントが少ないんです。

特に、死亡保険は医療保険と違って保障がすごくシンプルなのがカギなのです。

高度障害保障(※1)やリビングニーズ特約(※2)といった死亡以外の保障も付いてくることはありますが、基本的に死亡保険は『亡くなった時に保険金が支払われる』という保険です。最近は自殺(※3)も多いですし人の死に方に時代が反映されるという事はありますが、『死』という事象そのものに変化はありません。なので保障内容もそれほど時代に合わせての変化はありません。

保障の見直しは基本的に不要です。とにかく入っていれば保障がされます。

一方、医療保険は医療の進歩に合わせて保障内容が常に新しくなっていきます。

例えば入院保障の話で挙げると、昔は長期にわたる入院治療がよく行われましたが、今は手術の技術が向上した事もあり入院日数が少なくなり通院治療が中心となっています。


※厚生労働省ホームページ「平成29年患者調査」

上のグラフを見ると分かりやすいですが、病院の入院日数において35歳~64歳の場合、昭和59年は55日前後だったのが平成29年になると30日前後に減少しています。他の年代でも入院日数が年々減少しているのが分かります。
それに伴って保険の保障も変わり、以前は入院給付金も5日目から保障されるものが一般的でしたが、今は1日目から入院保障がついている保険が普通です。
このように、医療保障は日々進歩しているので保障内容もそれに合わせて保険会社が改定しているのです。

ところが、ここからが重要になるのですが
保険は何も手続きをせずに保障内容が変わるという事はまずありません。

つまり、昔加入した医療保険をそのまま持っている場合は、入院5日目からの保障の契約のまま残っている事になります。持っている保険が時代遅れになるのです。今の時代は5日未満の入院も少なくないですから、5日目からの入院保障は使えない事も多いです。
せっかく保険料を支払っているのに給付金請求が出来ないというのは、悔しくないですか?

だから医療保険は定期的な見直しが必要。ここが死亡保険との違いです。

死亡保険に見直しが不要なのは分かっていただけたでしょうか?

※1「高度障害保障」…被保険者が、各保険会社が定める高度障害と認められた時に死亡保険金と同額の高度障害保険金がおりる保障。その内容は両眼失明や言語・そしゃく機能の完全消失など様々である
※2「リビングニーズ特約」…余命半年と医師に宣告され、保険会社が認めた場合に死亡保険金から保険料を支払った金額が生前に支払われる特約
※3「自殺」…自殺に関しては、各保険会社で死亡保険金の支払いについてある一定年数支払を行わない事が取りきめられているのが一般

死亡保険は『終身』で充分なのでは?

で、話は『終身』と『定期』に戻ります。

死亡保険は「『死』に関する保険なので『定期』は不要なのではないか」という話を先ほど書きました。
実は、そうではないのです。

『終身』のデメリットって何だと思いますか?実は、保険料が高いという事なのです。

女性15

実は、『終身』の保険料は『定期』と比べてかなり高いんです

『終身』の特徴として、まず保障期間が一生涯であるという事は先ほど書きました。ただ保障期間が長いという事は、つまり保険会社にとって死亡保険金を支払う割合も高くなるという事。死亡保険金は保険会社の持ち出しで支払うのではなく、加入者の保険料から支払われるものです。保険会社は計算式を用いて支払うべき死亡保険金に見合った保険料を算定しています。
そういった背景もあり『終身』は『定期』と比べて保険料は高くなります。

また、『終身』の死亡保険の特徴として解約返戻金が手厚く設定されています。

解約返戻金とは保険を解約した時に保険会社から支払われるお金の事。解約時までに支払った保険料の総額を基に計算式を使って金額が決まります。基本的には保険料総額より低くなるのですが、保険料を払済(※1)で支払い終わった場合、それまでに支払った保険料総額より高い解約返戻金となるのが一般です。

解約返戻金が設定されているという事は、死亡保険金以外に保険会社が支払うお金があるという事。

そのお金はどこから出ているのでしょうか?私たちの支払う保険料から出ているのです。
となると、保険料が高くなるのは想像できますよね。

そういった理由で『終身』の死亡保険は保険料が高いのです。

『定期』死亡保険のメリットである保険料の安さ

ここで『定期』の話になります。

実は、最近TVや情報誌などでよく見かける『定期』の死亡保険は『掛け捨て型』がほとんどです。

『掛け捨て型』というのは解約返戻金が発生しないタイプ。つまり解約した時に保険料として支払ったお金が戻る事はありません。しかしその分、保険会社が保険料からその資金を準備する必要がないので保険料がダントツに安いです。

条件によっては『終身』の半分位の保険料で収まる場合も多いですから、かなりの安さです。

この『掛け捨て型』の『定期』死亡保険、実は新しいタイプです。ひと昔は保険というと「保険料がかかる」というイメージが強かったですよね。解約返戻金がしっかり保障されている保険が一般的でしたし、満期金(※2)も高めに設定されていました。
ところが社会は変わりました。バブルやリーマンショックを経て正社員より派遣社員が重宝されるようになり、それに従い給料も減った中、日常生活を送るのに必要な生活費を捻出するのが大変なこの頃。保険にお金をかけられなくなったのです。

保険を解約する人もずいぶん増えましたね。

でも、特に子育て世代の場合は、こういった時代だからこそ不測の事態に備えて1つでいいから何かの生命保険に入ってほしい。何も起こらないかもしれないけれど、何か起こった時が怖いのです。
お金がないからこその生命保険と私は思っています。

保険にお金をかけられない状況にある人には、安く入れる『定期』の死亡保険を強くおススメします。

※1「満期金」…定期保険が満期になった時に被保険者が生存している場合に支払われるお金