年末調整の季節になりました。会社勤めの人は控除証明書を提出する時期ですよね。
提出しておくと、12月の給料でいくらかお金が戻ってくるのはご存知かと思います。
得した気持ちになった経験のある人も多いのではないでしょうか?

ところで、控除証明書とはなんでしょうか?
その前に控除とは?

女性1

まずは控除について説明していきますね

生命保険料には所得税の控除があります

私たちは国に色々な税金を支払っていますが、その中に所得税があります。所得税とは私たちの収入に対して掛けられる税金ですが、ただ、収入全額に対してかけられるものではなく「生活するにあたっての必要経費」と国で定めたものについては差し引かれる金額があります。

それが控除です。

控除の申請をすればその分所得から差し引かれますので、所得税がいくらか安くなりますし、同じく所得から計算される市民・県民税の金額も少なくなります。
そして控除には、基礎控除や扶養控除、医療費控除など様々な種類がありますが、その中に生命保険料控除というものがあります。実は、毎年支払ってきた保険料には控除があるんです。そして契約者が保険会社に対して保険料を支払った事を示す証明書が、毎年おおよそ10月末頃に各保険会社から送られてくる生命保険料控除証明書です。

主婦3

その頃に保険会社から送られてくる控除証明書には大事な意味があったのね

生命保険料控除を受けるためには必要ですので、大事に取っておいて下さいね。

もし無くした場合には各保険会社で再発行が可能ですが、再発行にかかる期間や郵送期間を考えるとギリギリの取り寄せは間に合わない事も考えられますので、余裕を持って書類があるかどうかを確認しておいてくださいね。

ちなみに年末調整に間に合わなかった場合は、税務署で毎年3月15日までの間に行われる確定申告にて控除を受けることが出来ます。ただ、確定申告は年末調整と比べて書類の数が多いですし、申告のために税務署へ行く必要がありますから(そして、申告時期の税務署はすごく混みます)、年末調整が出来るのであればそちらで済ませる方が断然いいです。

生命保険に加入している方は、手続きを忘れない様にして下さいね。

生命保険料控除には種類があります

生命保険料控除にはいくつかの種類があり、年末調整や確定申告の書類に記入する時には、自分の支払った保険料がどの控除に該当するかを見分ける必要があります。
保険会社から送られてくる控除証明書にはキチンと種類が分けられて記載されていますので、そこは安心なのですが、ただ、毎年の事とはいえ年1回の作業のため忘れる事も多いので、その都度書類に記入する時に迷う事もあるかと思います。

ここから下は保険会社が控除証明書にキチンと分類して記載しているので、私たちは知らなくてもいい事ではありますが、実際に自身がどういった事を書類に書いているのかを知る上で記載しておきますね。

女性1

ここからは生命保険料控除証明書の種類の内容になります。


生命保険料控除は、まず契約を結んだ日付により平成24年1月1日を境に新生命保険料控除制度と旧生命保険料控除制度に分かれています。

新生命保険料控除制度には、①新生命保険料控除 ②介護医療保険料控除 ③新個人年金保険料控除の3つがあります。
①は生存および死亡に関して保険金が支払われる保険における控除
②は医療費支払に関して保険料が支払われる保険における控除
③は年金(退職年金を除く)が支払われる保険における控除
 ※ただし③については保険料を支払う人もしくはその配偶者が受取人である事、年金を受け取るまでに
10年以上保険料を支払っている事が条件

旧生命保険料控除制度には①旧生命保険料控除 ②旧個人年金保険料控除の2つがあります。
①は大きく3つに分けられます。
 a)生命保険会社の契約で生存および死亡に関して保険金が支払われる保険における控除
 b)簡易保険契約および農協共済等を含む共済契約
 c) 医療費支払に関して保険料が支払われる保険における控除
②は生存および死亡に関して保険金が支払われる保険契約に年金保障があるもので、 保険料を支払う人もしくはその配偶者が受取人であり、年金を受け取るまでに10年以上保険料を支払っている保険における控除

ちなみに新制度の介護医療保険料控除については、旧生命保険料控除から医療費支払に関する部分が分かれた事になります。

私たちが受け取る控除証明書には、こういった基準で1年間支払った保険料が分類されて記載されているのです。

生命保険料控除の計算はどのようにすればいいの?

私たちが書類に生命保険料控除として記入するためには、計算が必要です。控除証明書には1年間で支払った保険料が記載されているのみで、控除額が書かれているわけではないからです。

実際に控除される生命保険料は、年間で支払った保険料の総額によって計算式が違ってきます。
また、新制度か旧制度によっても計算式が違います。

まず新制度の場合、 ①新生命保険料控除 ②介護医療保険料控除 ③新個人年金保険料控除 という3つの控除に分けられます。加入している保険によって該当する控除は違いますが、実際に行われる控除はこの①~③の3つそれぞれに行われますので、1つ1つについて考えていく必要があります。

新制度の控除額の計算式は、以下の表のとおりになります。

年間の支払保険料等 控除額
20,000円以下 支払保険料等の全額
20,000円超 40,000円以下 支払保険料等×1/2+10,000円
40,000円超 80,000円以下 支払保険料等×1/4+20,000円
80,000円超 一律40,000円

例を挙げます。

1)年間の支払保険料が ①新生命保険料控除35,000円の場合
 ①新生命保険料控除の額は 20,000円超~40,000円以下に該当し
 計算式は 支払保険料等×1/2+10,000円 となります。
 35,000×1/2+10,000=27,500円 となり
 27,500円が控除額となります。
2)年間の支払保険料額が ②介護医療保険料控除20,000円の場合
 ②介護医療保険料控除の額は20,000円以下に該当し
 20,000円が控除額となります。
3)年間の支払保険料が ③新個人年金保険料控除 90,000円の場合
  ③新個人年金保険料控除の額は80,000円超に該当し
 40,000円が控除額となります。

加入している保険そのものについて、また別の生命保険に加入しているなど状況によっては保険料控除が2つもしくは3つに該当する場合があります。
例えば、生命保険1つに加入し年間保険料が55,000円だが
保険料控除の内訳が ①新生命保険料控除35,000円 ②介護医療保険料控除20,000円 の場合。
1つ1つで計算するので
  ①新生命保険料控除35,000円 の控除額は1)と同様となり27,500円
  ②介護医療保険料控除20,000円 の控除額は2)と同様となり20,000円  
また、生命保険料控除の合計額は27,500+20,000=47,500円 となります。

一方、旧制度の場合は 旧制度の場合は、 ①旧生命保険料控除 ②旧個人年金保険料控除という2つの控除に分けられ、こちらも控除についてはそれぞれに考えていく必要があります。

旧制度の控除額の計算式は、以下の表のとおりになります。

年間の支払保険料等 控除額
25,000円以下 支払保険料等の全額
25,000円超 50,000円以下 支払保険料等×1/2+12,500円
50,000円超 100,000円以下 支払保険料等×1/4+25,000円
100,000円超 一律50,000円

計算の考え方は新制度と同じです。新制度と数字が違いますので、そこだけは注意が必要です。

生命保険料控除の新旧と上限額はどのように考える?

生命保険料控除を全体像として見たものとして、下の表があります。


※国税庁ホームページより

新制度については各控除について上限4万円。また旧制度については各控除について上限5万円。
そして、新制度や旧制度も含めて、1人あたり生命保険料控除の上限額は12万円になります。

先ほど、1つの生命保険で2つ以上の控除が付く場合があると書きました。
死亡保障と医療保障が同時についている保険の場合は①新生命保険料控除と②介護医療保険料控除がつく事になります。内訳は加入している保険の保障内容によりますが、死亡保障分の年間保険料が①新生命保険料控除として、医療保障分の年間保険料が②介護医療保険料控除として各保険会社から送付されてくる控除証明書に記載されて手元に届くことになります。③新個人年金保険料控除についても、該当している保険に加入していれば同様です。
ただ言える事は、支払った保険料を該当する控除に分けて分割しているだけですので、支払った保険料以上の金額が重複されて控除計算の対象になる訳ではありません。

また、支払っている保険料が高額の場合は、上限4万円を超えた金額が控除証明書に記載されて手元に届く場合もありますが、その金額のまま計算をし記入しておけば税務署が処理してくれます。一番いけないのは、 上限額を超えて控除にならないからといって、自己判断で書類と違う数字を使って書いてしまう事です。金額が違う事から逆に控除証明書が証明書として役に立たない危険もありますから、書類は控除証明書に書かれている数字で計算し記入することが必要です。

気をつけてくださいね。

色々書きましたが、新制度分と旧制度分を合わせて最高12万円まで控除してくれます。
先ほども書きましたが、支払った保険料のどの部分がどの控除に該当するかは、生命保険会社が10月頃から送ってくれる控除証明書にちゃんと分けて書いてありますので、それをキチンと確認してくださいね。
もし、生命保険を2社以上加入している場合はそれぞれの保険会社から控除証明書が届きますので、合算で記入する事になります。

計算が面倒ではありますが、せっかくの節税のチャンスなので積極的に利用するといいですよね。